ここに在らず。


飛び交う会話の中、ピシャリとトウマさんは言った。それはなんだか…少し、苛立っているようにも見える。


…私、変な事を言ってしまったかもしれない…そうだよね、世話係じゃないってトウマさん、最初に言ってたし…それに二人が決める事に口出ししたりして、ちょっと出しゃばり過ぎたのかも…


そんなトウマさんを見て、心の中で物凄く反省した。するとトウマさんは私の方を見た後、慌てたように「いや、きっと君の思っている事と違う」と、訂正する。


「世話をするとかさせるとか、そういう考え方じゃなくて…本当に、単に俺の代わりというか。誰も居ない間になんかあったら困るだろう?君は学校にも行くようになるだろうし、仕事中で俺が対応出来ないような事も起こるかもしれない。だからその時の代わりと、俺と君の連絡係なんかをしてもらう事にした訳だ」

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