ここに在らず。
…不思議なもので。諦めがついた瞬間、心に妙な余裕が生まれた。別に好きだった訳でもないのに時間が来ると学校はいいのかな、なんて思ったりする自分がいて、ドアが開くか確認してみたりする。
結果は相変わらず。学校を休ませてでも私をここから出したくないらしい。
今まで風邪をひこうが何しようがお金を払ってるのだからと登校させられていた。それなのにあの人達は…こんなに無駄な事で意地になっている。
無駄…いや、そう思うのは私だけか。あの人達はそれが私を従えるための方法ならば無駄だとは思わない。
効果が現れるまで、それは延々ずっと繰り返される。
電気が止められたまま、何もする事もなくただただ時間が過ぎて行く。それはいつもと同じ。同じはずだった。
朝が来て夜が来て、また朝が来て。
それでも扉は堅く閉ざされたまま。いつもと違うのはそれ。たったそれだけなはずなのに、私の精神は息苦しい圧迫感に悲鳴をあげる。