*ふわり、はつこい*
「他のやつらも後輩に渡してるし、こういうのやっぱり欲しいかなって。よかったら俺の、もらってくれる?」


先輩はにっこりと笑いながらそう言った。

私は嬉しくてまた涙が出そうになった。


「ありがとうございます!大事にしたます!」

「あはは。こちらこそ。そんなに喜んでもらえると思わなかったよ。本当の花だからすぐに枯れちゃうけどね」


すると先輩は私の名札の少し上にその花を付けてくれた。


「〜・・・っ」

「はい、出来た。ははっ。卒業生みたい」


先輩の無邪気なその笑顔が私の胸に染みた。
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