*ふわり、はつこい*
湯船に浸かりながら今日あったことを振り返るのが私の習慣。

先輩とメールしちゃった。卒業式も号泣しちゃったし。やだなぁ。今、思い返してみるとすごく恥ずかしいんだけど。


「ちょっと心向?まだ入ってるの?そろそろ私も入りたいんだから早く出てきてよ!」


急に洗面所からそんな声がした。

この声はきっとヒナだ。


「もー、分かったよー」


私はしぶしぶお風呂を出た。

そして部屋にドライヤーを持って上がった。

それからさっきまで先輩と繋がっていた携帯に目をやる。

すると、


「・・・!!」


メール通知のイルミネーションが光っていた。

私は受信BOXをすぐさま開いた。

《From:陽汰先輩
Sub:

おやすみ。》


たった一行のメール。

だけど私にはこんなメールさえも本当に嬉しかった。

愛しかった。
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