*ふわり、はつこい*
第二章❋
第二章❋



あれから1年が経った。

私ももう3年生だ。

陽汰先輩とはやっぱり中学、高校となると会う機会はほぼ無かった。


「心向、英語の予習やった?」

「ユウカちゃん、やってるよー。見る?」

「ありがとう、助かるー!」


私はユウカちゃんに英語の予習ノートを渡した。

ユウカちゃんは1年の頃にくらべて少し大人っぽくなった。

もともとユウカちゃんは大人っぽいからそこまで変わらないと言えば変わらないかな。

私はと言えば、身長は綺麗に止まってしまった。

顔も童顔のおかげで幼いままだ。


「そういえば先輩と、最近どうなの?」


ユウカちゃんはノートを写す手を止め、私を真っ直ぐに見た。


「・・・」


私は思わず黙り込む。

実は、メールが出来るようになったものの、あまり出来ていない。

向こうが忙しいかも、もしかしたら彼女が出来たかも、なんてことを考えると送ることが出来なかった。
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