ROMANTICA~ロマンチカ~
第四章 素顔をみせて

1.都季@乙女ちっく

ふっふっふ……。ふっふっふ……。あっはっは! イエーイ!
 


「せ、千住君、嬉しそうだね……」
 


クラスメイトの山田君が、脅えたような顔つきで言う。
 


「ええ、とっても」
 


学生課の掲示板前。


ドイツ語再試験の合格者番号表が張ってある。


あったあった、ありました。


あたしの学籍番号。
 



「君は受かったんだね。僕は、再々試だ……」
 

「そっか、残念だね。きっと次は受かるよ」
 


肩を落とす彼をなぐさめ、あたしはお屋敷への道のりを歩き出す。
 

そこでふと立ち止まった。
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