ROMANTICA~ロマンチカ~
倒れるまで無理することないのに。


 
そういえば、あたしが池にはまった次の日から、涼輔さんも鼻をグスグス言わせてたし……。

あの時から、風邪引いてたんだろうな。


 
ノックの音。原島さんが入ってくる。


 
シーッ、静かにして、と合図すると、ひそめた声で原島さんが言った。
 


「もう遅いので、都季様もお休みになってはいかがですか?」

 
「いいです。あたし、涼輔さんのおそばについています。そうしたいんです」

 
そう言うと、原島さんは、何も言わずにニッコリして、厚手のカーディガンを持ってきてくれた。
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