ROMANTICA~ロマンチカ~

2.涼輔

鳥たちのさえずり。
 

涼輔が目を開くと、明るい光が部屋にあふれていた。
 


「涼輔さん、おはようございます」
 


ベッドの横の椅子に、都季が座っていた。眠そうな顔をしている。
 


「君……ずっと、ここにいたのか?」
 

「はい」
 

「一晩中?」 
 

「ええ、まあ。お体、大丈夫ですか? 」


 
言われて、自分が昨夜倒れたことに思い至る。


 
「今何時……もう、こんな時間じゃないか! 会議が……」


 
壁にかけた時計の針は、十時近くを指していた。

 
慌てて身体を起こそうとして、都季に止められる。
 
< 174 / 369 >

この作品をシェア

pagetop