ROMANTICA~ロマンチカ~
「大体なぁ、近頃の日本人は油っ気が抜けすぎていけないや。

ナンバーワンにならなくてもオンリーワンならそれでいいだって? 

甘ったれてんじゃないよ。

日本という国は、名もない歯車たちがシャカリキになって働いてのし上がってきた国だっていうのに、歯車の一個一個が自己主張を始めた日には、経済も社会システムもガタガタになるっつーの。

そんなにオンリーワンになりたけりゃ、無人島に行って自給自足でもすりゃあいいんだ!」
 


バン!
 


なおも演説をぶち続けるデスクのヤナギヤの前に、僕は、手に持っていたものを音を立てて置いた。
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