ROMANTICA~ロマンチカ~
あたしは子供で……

ただ養ってもらって、

育ててもらっていただけ。


だけど、ママの言葉が正しいっていうことを知っていた。
 

だから、あたしに手に職をつけさせようとしてくれるママの親心はわかる。


また、ママの気持ちを裏切らないために、大学は薬学部を選んだ。


薬剤師の免許を取って、将来は自分の調剤薬局を開くのが、今のあたしの夢だ。
 

あたしたちは多分、「一卵性母子」だったんだろう。
 

あたしの「婚約者」は、

いかにも「女のくせに手に職だの生意気言うな。女は家にいろ」とでも言いそうな顔をしていた。
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