ROMANTICA~ロマンチカ~
第七章 サヨナラ、コンニチワ

1.ギョッ!

髪をいじられる感触。

温かい、柔らかい、気持ちいい。
 
目を開くと、見知らぬ部屋にあたしはいた。
 
髪をいじっているのは、涼輔さん。

白い、ゆったりしたデザインの服を着ている。

天使みたい……。
 
部屋は、明るい光で満ちあふれている。
 
ああ、そうだ。
 
あたし、昨日の夜、もう涼輔さんのそばにはいられないと思って、出ていったんだ。
 
探偵のヤナギヤさんと公園でピクニックしているうちに眠たくなって……。

雪の中、眠ったら死ぬよね?

あたし、死んじゃったんだ。
 
あんまりいい子じゃなかったから、天国には行けないと思っていたけれど、どうもこの様子だと、あたしは天国に来れたみたい。
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