ROMANTICA~ロマンチカ~
「百円ショップで買った下着に百グラム九十八円のチキンレバーを塗りつけて三万円で売ろうとしたらしいな。

しかも、相手にホテルに連れこまれそうになり、取引は不成立。

上手く行けば二万九千八百二円の利益だったのに、残念だったな?」

 
「なっ……」


 
開いた口がふさがらないとはこのことだ。


 
「今しがた、探偵屋が教えてくれた」


 
氷室涼輔、ケータイ画面をこちらに向ける。

ヤナギヤさんからのメッセージ。



やられたよ。


自分がはいていたパンツを売ったような女として、あわよくば追い出されることをたくらんでいたのに。



追い出されたら探偵さんの元に転がり込めばいいと高をくくっていたのに。


こうも早くに真相が露見するとは……。



一筋縄じゃいかない探偵さんだ。
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