ROMANTICA~ロマンチカ~
「涼輔様も人がお悪い。お声をかけて下されば良いのに。
それにご婦人のお部屋ですぞ。ノックくらいなさらないと……」
「さっきしたよ。おまえを呼ばなかったのは、別に用事がなかったからだ」
涼輔の目がアルバムに止まった。
こめかみが動いた。白い頬がかすかに赤らむ。
「原島」
「それでは、わたくしはこれで……」
猛スピードでアルバムを閉じ、「失礼致します」といって、来た時と同様、疾風怒濤の勢いで原島さんは去って行った。
あたしは立ち上がり、彼を部屋に迎え入れた。
「あのおしゃべりジジイが……」
原島さんが去って行った方向を横目ににらみながら毒づく。
それにご婦人のお部屋ですぞ。ノックくらいなさらないと……」
「さっきしたよ。おまえを呼ばなかったのは、別に用事がなかったからだ」
涼輔の目がアルバムに止まった。
こめかみが動いた。白い頬がかすかに赤らむ。
「原島」
「それでは、わたくしはこれで……」
猛スピードでアルバムを閉じ、「失礼致します」といって、来た時と同様、疾風怒濤の勢いで原島さんは去って行った。
あたしは立ち上がり、彼を部屋に迎え入れた。
「あのおしゃべりジジイが……」
原島さんが去って行った方向を横目ににらみながら毒づく。