年下の不良くん《番外編》


「久しぶりだね」


「そだね〜」


気持ちが悟られないように、あたしは不抜けた様な言い方で返す


「この間せっかく誘ってくれたのに、行けなくてごめんね
仕事が捗らなくて…」


「ううん、そんなの別にいいんだよ」



桜が一面に広がった時期に、気分転換にでもと、花見を一緒にしようと誘ったのだ


その時はまだ、気持ちには気付いていなかったから、何の気兼ねもなく誘えたのだが…


今はもう、そうはいかない


だから、月に数回あったこの時間も、今では月に一度になっている


誘われても用を付けて、なるべく会わないようにしていた


だってあたしは、今の関係がいいから


下手に気持ちを告ったりして壊したくない…


きっとまだ、しゃちょーさんはまだりりかを想っているから、あたしがフラれるのは確実


だからなおさら、今のままでいい…


「今日はどこのお店にいく??」


二人で会うときは、大抵ご飯を食べに行く


前にあたしが食べる事が好きって事を言ったのを覚えててくれてるみたいで、毎回美味しいレストランをご馳走してくれる


そんなさり気ない優しさが、余計に想いを膨らませるのだ



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