冬桜 −二度咲くモノ-
「今までじゃなく、今の沙羅さんの気持ちを聞かせて下さい。
それを話してくれるまで、僕は一歩も引きませんよ。」


こんな強引な響聖を見たことがない。



「私・・・の、気持ちは・・・・・」



私の気持ち、それは決まっている。


だけど、それを告げるのには相当な勇気が必要。


息を大きく吸って、響聖の顔を見ては、やっぱり俯くということを何度も繰り返した。





だって、自分の気持ちを伝えたりとかお願いしたりとかを、今までしたことがなかったから。
< 275 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop