キケンなアイツとの生活

「できたよ！」


ソファに座ってたわたしと冬弥さんに、千夏さんが声をかけてくれて、食卓テーブルに座ると、いつものように朝ごはんが並んでいて、冬弥さんといつものように「いただきます」をして食べた。


「美味しいよ、千夏さん」
「ありがとう」
「まぁまぁだね」
「冬弥は夜ごはんなし」
「は？待った！ウソ！」


思わずプッと笑ってしまう。冬弥さんは、わざとにこういうこと言ってるんだよね？なんとなく、分かるよ。


やがて冬弥さんは時計で時間を見ると、席を立ち上がった。


「ごめん、仕事行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
「冬弥さん、ごめんなさい…」
「気にすんなって。ホントに悪いと思ってんなら、夜一緒に風呂入ってよ」
「ヤダよ！バカじゃない？」
「おー、こわっ。じゃ、行ってくるわ」


こうして、なにが冗談なのか分からない冬弥さんは、お仕事へと行ってしまった。


「愛梨ちゃん、学校は？」
「あっ、冬弥さんが休めって、ここに来る前に電話しました…。ごめんなさい」
「そう、分かったわ」


千夏さんは笑顔で頷いてくれた。実はちょっとダルかったりして…。それに朝気付いた冬弥さんが、電話をかけるように言ってくれ、薬も飲ませてくれた。


もっとテンポ良く話したいのに、なかなか言葉が出てこない…。それは千夏さんも一緒だったみたいで、お互い、だんまりになってしまった。