キケンなアイツとの生活
***


優しそうに見えたこのオトコは、ただのオンナ好きだった…。


急に肩を抱いてきたり、今もこうやってわたしの手を握ってる…。


しかも、さりげなくだ。


それを振りほどけなかった自分もいる。


別に千夏さんが、イヤだったわけじゃない。


ただの、わたしの嫉妬だったのかもしれない。


パパが楽しそうに笑ってるのが悲しかった。


ママ以外のオンナの人と楽しそうにしてるのが…。


頭の中では理解してるのに、ココロとカラダが付いていかなかった。


わたしがまだコドモだから…?


「愛梨、どうするの?」
「え?」


上から声がして見上げると、冬弥さんが困った顔をしていた。
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