キケンなアイツとの生活
そんな感動的な場面で、みんなが笑う。


原因は、わたしのお腹の虫が騒いだから…。


は、恥ずかしすぎるっ。


なんでこんな時に限って、お腹が鳴るのよ…。


「ふ、愛梨。ごはんにしようか。な、千夏?」
「ふふっ、そうだね。せっかくの食事会だもの。冬弥?」
「あぁ、連絡するよ」


パパが笑い、千夏さんが笑い。


冬弥さんは、わたしの頭から手を離すと、部屋に付いてる電話がある方へ向かった。


……なんだか、寂しい。


今までリズムよく撫でられてた大きな手が、今はない。


たったそれだけのことなのに、わたしの心はどうしちゃったんだろう…。


「さ。席に着こうか。愛梨もおいで」
「……うん」
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