俺と君の現実論
しかし、その無自覚冷徹な面も、好きな人なら愛すべき箇所といったところだろう。
「ハルキは滑らないの?」
「私は雪だるまを作りたいです」
「…スキー場なのに」
「雪だるまを作りたいです」
「……スキーしない「しません」
「……。」
時々、強情なところもある彼女。
いやまあ、彼女がそうしたいなら雪だるまを作っていてもいいんだが。
むしろその愛らしい姿をこの目に収めておきたくも思うのだが。
「俺は、ハルキと一緒に滑りたいんだけどなあ…」
そうは彼女に言い出せず、結局はスキー場のポイントでスノボ片手に立ち尽くすしかなく。
少し寂しく思いながら足をスノボに固定させた。