記憶を失くしたわがまま彼♡




え?
私、耳が変になったのかな?



「ごめん、もう一回言ってくれる?耳がおかしくなったかも」




すると尚人くんは呆れたように




「……本当、鈍いな…………」




と呟いた。




鈍い?何が??




私がまだわかっていないと知った尚人くんは



「いいか?もう一度いうからな、

市川が好きなんだ」



「う、そ……」



「俺は、市川に会うまでは恋愛とかテキトーだった。でも、市川に会って変わったんだ。」




「そんな。私なんかを……」




「なんかじゃねぇ。市川だからなんだ。俺と付き合ってください!」




どうしよう。
今まで尚人くんをそんな風に見たこと無いから……


それに、風斗くんの事だってあるし……




チラッと2人を見てみると、すごくお似合いだ。




「尚人くん。まだ私は風斗くんが好きなの……」





「知ってる。でも俺は、こんな市川見てられない。
必ず幸せにする。」


そんな……


「でも、絶対尚人くんの事傷つけちゃう……」




「それでもいい。少しずつ好きになってくれれば」


正直すごく、嬉しい。


でも、尚人くんを傷つける事には変わりない。





「本当に……いいの………?」





本当にこんな私で………




「俺の、彼女になって下さい。」





尚人くんは、笑顔で返してくれた。




「はい!」




と言った瞬間尚人くんが
ほんのり赤い顔で、




「キス、してもいいか……?」




と聞いてきて、少し戸惑ったけど





「うん…いいよ?」




と言い、甘くて、優しいキスが降りてきた。





「……んぁ…」




「市川、可愛い……」




ずるいよ。尚人くん。




こんな私にそんな嬉しい言葉。




ありがとう。
今日のことは忘れません。




でもね、私は知らなかったんだ。




愛香達がこの光景を見ていた事_____





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