俺と後輩と怪談と。
「生きているうちに出来なかったこと。見えるのに、聞こえるのに何も出来ない自分は無力で、悔しかった。」
だからせめて少しでも後悔を晴らしたかったのだと言った。
「どうして……俺だったんだ?高校生活を楽しみたかったなら別に誰でも良かったんじゃないか?」
「縁ですよ。それ以外に理由があるとしたら、先輩だからです。その先輩の面白い体質、俺もそれに魅せられた一人なんでしょうね。それに……」
徐に後輩が言葉を切るものだから、俺は後輩を見つめた。
真っ直ぐ交わる視線。
「先輩、本当は見える人なんですよ。」
「……なんだ、それ。」
「ただ見ようとしないだけ。先輩が俺を見れるのは、俺の霊力が高いことも一つの要因ですが、それだけじゃない。」
見える、と言われてもなぁ。
今までの人生で憑かれることはあっても見たことまではない。
「そんな事ないと思うんだけど。」
「まぁ、見ようと見まいとそれは先輩の自由ですけどね。」
肩を竦め、いつもの笑いを見せる。
「なぁ、その先輩って止めろよ。生きてれば同い年だろ?」
「いいんですよ。俺のね、時間は止まってしまったんです。だから未来を生きるアナタは、先輩なんです。」
ほら泣きそうな顔するから、また目を逸らしたくなる。