俺と後輩と怪談と。
屋上を出ると仙道が立っていた。
「終わった?」
「ああ。お前は…最初から知ってたんだろう?楠木が死んでるって。」
うん、と仙道は頷いた。
「最初に見た瞬間に分かったよ。歩夢先輩に言わなかったのは、楠木くんに頼まれたから。仲間に入れてくれるのを条件にね。」
――興味が湧いたんだ。二人に。
仙道は階段を下っていく。
「もう少し楽しみたかったな。残念。」
言う割には残念そうに聞こえない。
「さっきね、頼まれたんだ。歩夢先輩を守ってくれって。だけど、俺は守ってあげる気なんてない。」
一瞬鋭い眼差しで俺を見た。
すぐにいつもの笑顔を取り戻す。
「もう、そんな必要はないよね?」
俺も笑って返す。
「ああ」
見ようとしないだけ、なら目を向けてみようじゃないか。
楠木がやり残したことを、代わりにやるのも悪くはない。
楠木が残した縁、この生意気な後輩と。
「結局、この学校に七不思議なんてなかったんだね。」
「七不思議ならあったよ。」
俺は笑う。
一つ目は、地獄落ちの階段
二つ目は、血染めの教室
三つ目は、壁男
四つ目は、啜り泣く少女
五つ目は、迷いの廊下
六つ目は、恨みの屋上
「七つ目は?」
「七つ目は、幽霊を救う幽霊少年なんてどうだ?」
「全然怖くない七不思議。うん、でもいいんじゃないかな。」
――end――

