My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ









「グレイス? 何してるんだ?」




白い石畳の上を歩いていると

隣を歩いていたグレイスが急に駆けだして

一本の木にそっと寄り添った



すると、サワサワと柔らかい風が吹いて、辺りの緑が柔らかく揺れだす

まるで彼女に寄り添う様に




「『気』を送っているのですよ」




すると、閉じていた瞳をゆっくり開けて

そっと微笑んで、そう言ったグレイス


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