My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
徐々に小さくなっていく背中を見つめて、さっき自分の言った言葉をなぞる
――何かできないか
そう聞いた自分に驚いたから
途端に自嘲気に笑う
何を言っているんだと思って
俺は、この国を出るんだ
こんな柔らかい風ではなく
強く逞しい風の国へ
生まれ育った、祖国へ――
でも、その瞬間、脳裏に浮かぶ1人の女性
美しい金の髪と、ターコイズの瞳
柔らかく微笑んだ、あの笑顔
その姿を飲み込む様に、瞳を閉じる
あまりにも
眩しくて