My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
そんな彼女を横目に見つつ、小さく溜息を吐いた
そして微かに揺れる思いを隠す様に、強く言葉を放った
「俺も好きだ」
「え?」
「自分の生まれ育った国だ」
ここにいればいるほど思う
帰りたいと
「そうか――」
俺の言葉の意味を汲み取ったのか
小さくそう呟いたソフィア
その姿をじっと見つめる
でも、その度に心の天秤が揺れる
ゆらゆらと
頼りなく
それが手に取る様に分かって
逃げる様に再び空に輝く月を見上げた