My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
「今日はもう寝よう、父さん。明日一番に俺が道を見てくる」
「あぁ。悪いなアレン」
馬に括り付けていた水も食料も残り少なくなってきた
そろそろ川に出なければ、本当にまずい事になる
最早話す力も惜しい俺達は、早々に休む事にした
◇
ジャリ...
夢の中に堕ちかけていた俺の耳に、微かに何かが砂を擦る音がして目を開ける
あぁ・・・いけない
寝てしまっていた
あまりにも強烈な睡魔に襲われて
ウトウトとしていた
まだ残る眠気を振り払うように、顔を振る