秘密な蜜愛
何度目かのメッセージを読んだ日。
送り主名をクリックし、彼女のページを開いた俺は、一瞬にして複雑な感情に囚われた。
本来、プロフィールを記すそのページには、何故かURLが一つ。
そして、設定されていたプロフィール画像には真っ赤な唇と綺麗な鎖骨、そして豊満さを醸し出した胸の谷間が映っていた。
唇より上が映っていないその画像が、残念かつ何とも言えない色気を醸し出している。
”男を誘うテク”
いかにもそれを知り尽くしているかのようなやり方に、少々呆れるも彼女を気になってしまう自分を否定する事は出来ない。
だからといって、この人物とどうこうなるとも思ってはいない。
所詮ネットの人間。
仮にこっちが動いた所で今となんら変わりは無いだろう。
それなら。と軽い気持ちでメッセージを打ち込む。
”いつも、メッセージありがとう。”
シンプルにそれだけを打ち込み、送信ボタンを押した俺はスグにパソコンの電源を落とした。