秘密な蜜愛
「出来ればそうしたいんだけどね。」
お互い背負うものがある。
それを分かった上で、尚もこの関係が続くのにはある理由があった。
「…はい。勿論、分かってます。…だけど、私はっ!」
「…約束…しただろ?」
「…はい。」
「…イイ子だ。」
今にも泣きそうな彼女の頭を優しく撫でる。
すると、ギュッとしがみ付く手に力がこもった。
…彼女が俺に特別な好意を持ったのは、つい最近の事だった。
元々割り切った気持ちで始まったこの関係。
お互いの”背負う物”に一切口出しはしないと、それだけはどうなろうと変えてはならない事。
けれども、言葉を交わし、体を重ね続けた結果、
いつからか芽生えた情。
それを真っ先に感じ取ったのは彼女の方だったんだ。