ブラッドサースティ・キラー
「ダメって、どうしてですか」

「お前に死なれちゃ困るからだが?」

「どういう……こと?」

「とりあえず、今は一緒にこい」


 そう言って手を差し出してきた那ヶ真先輩。

 僕はその手にどこか懐かしさを感じながら、手を伸ばした……。


●●●


「警察に突き出すんですか?」


 あの事件、殺人鬼がやったと片付けるには難しいような気がして。

 家にいた僕は無傷なわけだし……疑われてもおかしくないだろうし。

 容疑者として警察に突き出す以外に、考えられないのだけれど……。


「そんな阿呆のするようなマネ、するわけがないだろう」

「?……それじゃあ、今からどこに行くんですか?」

「学校」

「は?!」


 思わず足をとめた。
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