ブラッドサースティ・キラー
 3階にのぼってきたのはいいけれど、人の気配は感じられない。

 那ヶ真先輩……どこに行ったのだろう。

 もしかしたら僕を捜してくれているのかもしれない。

 むやみに動くのは……よくないかな……。

 ふと、すぐそばの教室からピアノの音が聴こえた。

 反射的に顔をあげると、そこには【音楽室】の文字が書かれている。

 まさか……さっきの人達の言葉は本当だったの?!

 いや、この状況も怖いけれど、ここに音楽室があるということは――さっきの人達がやってくる!

 僕は隣の教室の扉に手をかけたけれど、鍵がかかっていて開かない。

 そうだよね。普通は閉まっているよね。


「あれ?何か聴こえない?」

「まさか本当に?!」


 やばい。さっきの人達、すぐそこまできている……!
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