NIGHT

最強の男

一

やだｯ!来ないで!

逃げても無駄だよ〜

男に追われる少女。

誰か助けてぇ！！

走り疲れて隠れた茂みの中

お願い来ないで＿＿＿

息を潜めて気配を消す。

萌々ちゃ〜ん
あれ〜？今度はかくれんぼかい？



ガサッ

「みぃ〜つけた〜」

耳元で聞こえた男の声。



「嫌ぁ!!」

飛び起きて周りを見渡す。

ﾊｧﾊｧ...

またこの夢...


出てくるのは小さい頃の私と男の人。
男の顔は靄がかかっていて分からない。


私はこの夢の続きを知らない。


夢は毎回ここで終わる

昔から見る夢でリアル過ぎてほんとに自分に起こった出来事なのかと思ったりするけど私の記憶にはこんな出来事なんて無いから多分ただの夢なのだろう…


ベッドの上でボーッとしていたら携帯が鳴った。

親友の椿からの電話だ。


「…もしもし？」


「萌々!遅刻だよ!」

え？

チラっと時計を見ると既に8時半を差していた。

急いで支度してももう既に間に合わない。

「ごめん！起こしても起きないから諦めちゃった」

「いいのありがとう…2時間目に行くね」

「了解！先生に伝えとくね」

椿との電話を切り支度を始めた。