NIGHT
コンコン

「失礼しま〜す。葉山先生。1-Aの大谷です。」

科学準備室の中に入ると葉山先生と男子生徒が数人いた。

上靴を見る限り2年生だ。

うちの学校は上靴のラインで学年が決まっている。

1年が赤、2年が青、3年が緑となっている。

葉山先生が教卓の上を指差した。


「おぅ!来たか!済まないが自分のクラスのノート教室に運んでくれ。今日の授業の分はチャラにしてやるからよ」

「ほんとですか!?やった〜じゃぁ運んできます!これ運び終わったら帰っていいですか?」

「あぁいいぞ。けど大谷一人で持てるか?」

葉山先生は私を上から見下して心配そうな顔をした。

あっこれ絶対私が小さいから力ないと思われてる。

はい。そうです。私146cmしか無いんです。

もう!小さいの気にしてるのに!!

「大丈夫です。ノートぐらい普通に持てますから。」

ムッとしたけどニコっと笑って返しておいた。

さっさと終わらせてクレープ食べに行こう。


先に入り口の戸を開けて教卓に向かう。

「大丈夫?手伝おうか?」

頭上から聞こえた声に顔を上げると茶髪の男の人。

「え?あっいえ大丈夫です!ありがとうございます。」


急に声をかけられてビックリしたけど会釈をしてノートを持ち歩き出す。

うん。何気結構重いかも。

まぁでも教室までだし大丈夫か。

よいしょ。

落ちないように持ち直して入り口を出た。

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