NIGHT
なんとか教室まで運び終わり椿と一緒にロッカーまで向かってると

「あー!!教室に携帯忘れたかも。ちょっと先行ってて!直ぐ取ってくる」

椿にそう言われ先にロッカーに向かった。

ロッカーに近づくにつれわいわい騒ぐこえが聞こえてきた。

(わっ嫌だな…)

入学してすぐに絡まれたことがある先輩達だ…

見つからないようにコソコソと自分のロッカーまで行き靴を取り出す。

ガタン。

「あっビンゴー!やっぱり大谷ちゃんだ。」

「やりぃ〜なになにこれから帰り〜?」

見つかった…

「これから俺達と遊びに行こうぜ〜」

ガシッと肩を抱かれ鳥肌が立つ。

「やっ離してください!」


肩から手を退かそうとしてもビクともせず肩を擦る手が気持ち悪くて泣きそうになっていると

「邪魔だ」

「あ"?誰だ。ってみっ宮地…さん」

低くて通る声が聞こえた瞬間肩に触れている先輩の手が震えだした。

「で?いつまでそうしてる気?」

「すっすいませんでした!!」

勢い良く私を離して逃げていく先輩達。

突き飛ばされる形で手を離されよろける

「大丈夫か?」

頭上から聞こえる声に顔を上げると

抱きしめられてるような体勢でよろけた私をキャッチしてくれていた。


慌てて距離をおいて頭を下げた。

「助けて頂いてありがとうございました。」

「ん。別に。気をつけろよ。」

ポンっと頭を撫でられ去って行く男の人。


陽くんと似た後ろ姿と雰囲気。

靴からして彼は2年生。
絡んできた先輩達は3年生

3年生に敬語を使われる人って何者?

ロッカー前で固まっていると

「萌々、何かあった?」

心配そうにした椿に声をかけられハッとした。

いつの間にか椿が来ていたようだ


「あ、ごめんね。入学式の時に絡まれた先輩達にまた絡まれちゃって。」

そう言うと

「え!?大丈夫?何もされてない!?」

慌てた椿がペタペタと体を触りながら確認してきた。

「あっうん。助けてくれた人がいて」

「そう。それなら良かったわ。」

安心した椿は息を吐いた。

靴を履き終え

「それでわクレープ食べに行きますか〜」

椿と腕を組み歩きだした。
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