綴られた恋物語
「空、青いね…」
屋上から空を見上げると、雲ひとつない空がそこにあって。
なんだか無性に悲しくなった。
今、隣に大嶋君はいない。
今頃芽依ちゃんに腕を組まれて、
体育館に向かってるいるだろう。
「あたしも空になりたいな」
空はいつでもそこにあるから。
太陽と月がいて、雲がいて、淋しくないんだろうな。
あたしもいつも大嶋君といたい。
でもそんなワガママ、言えない。
あたし1人に時間をつくることはできない。
そう分かっていても、寂しいもので。
毎日体育館の見える立ち入り禁止の屋上に来ては、一粒だけ涙を流す。
これは絶対バレてはいけないこと。
バレたら、終わっちゃうから。
大嶋君はいつだって笑ってるあたしが好きだから、
だからこれは秘密。
決して誰にもバレてはいけないし、
あたしだけの秘密。