綴られた恋物語
「空になりたい…」
ただ一心で空を見つめた。
気が付くと、あたしは柵を越えて
柵の外に腰掛けてた。
傍から見たらただの自殺少女。
なんて、冷静に思えたのはなんでかな。
あたしは手を伸ばした。
空に手を伸ばして、空を掴もうとした。
このまま空になれたら、
いつでも大嶋君の傍に、
いられるのかな…。
あと少し、のところで体が浮いた気がした。
けれど浮いた体は何かに引っ張られて、
暖かい何かに包まれた。