キスから始まるセカンドラブ
彼女が望む場所に住んで、彼女が欲しいものを買って、俺と住むことを喜んでるわけじゃない。


兄貴との同棲生活をこんなにも目をキラキラさせて楽しみにしているのに錯覚してしまう。バカだな、俺。彼女は俺が好きなわけじゃないのに。



「私、彼氏ができたら一つのベッドで眠りたいって思ってたんです。ギュッと抱きしめられて朝起きると一番に顔を見られる。幸せなんだろうなって」



彼女は俺が一目惚れした笑顔を浮かべてそんな可愛いことを言う。そんなの頼まれなくても俺がしてやるよ。俺だって、抱きしめて眠りたい。



だから・・・兄貴じゃなくて、俺を『志村洸汰』を好きになって・・・ほしい。
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