キスから始まるセカンドラブ
まさか、こんな形で叶うなんて思ってなかったからたとえ、この手が智人さんの手じゃないとしても私からは離せない。




「・・・手、濡れますよ」




「いいよ。冬場なのに水で洗い物するのってこれ以上、手を荒れるのを防ぐためだろ?」




「・・・違いますよ。お湯を使うのはもったいないかなと思って」




熱い視線を感じるからとてもじゃないけれど顔を上げられない。だからずっとその絡められた指先を見つめる。


なんなんだろ。なんで、この人はこんなことばかりするの?



「・・・奈々、顔を上げて」
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