キスから始まるセカンドラブ
「奈々?どうした?開けてもいいか?」



大きな音を立ててドアが開く。嫌だ。こんな惨めな顔をもう見せたくない。涙を拭って振り向くと一瞬で視界が真っ暗になった。トクントクンと聞こえる鼓動。



「洸汰・・・さん?」



「大丈夫。俺がいるから。あいつ来てもすぐに追い返してやるよ」



「・・・もう、やめてください。智人さんに頼まれたんですよね?だから・・・」



両肩を力強く掴まれ、離される。強い眼差し。そんな風に私を見ないで。逸らそうとすれば顎を掴まれた。


俺から目を逸らすなと言うように。
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