キスから始まるセカンドラブ
鏡に映る私がどんどんと涙で見えなくなる。こんなことなら最初から同棲なんてしようなんて私の提案受けないで別れ話をしてくれれば良かった。それならまた一から始められたのに。



洸汰さんだっていい迷惑だよ。


お兄ちゃんの彼女を押し付けられて好きでもない女の彼氏の代わりをするためにキスしたり、優しくしたり・・・。



惨めだよ。こんな風に憧れを叶えたかったわけじゃないんだよ。



「智人さん、キスしませんか?」



「ああ」



「智人さん、手を繋ぎたいです」



「・・・それは、無理」



私の問いかけにはいつだってイエスかノーでしか答えてくれなかった。私から聞くばかり。智人さんから要望を伝えられることもなかった。



初めての恋人で浮かれていたのは私だけだったんだよね。
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