キスから始まるセカンドラブ
彼がゆっくりとベッドから起き上がる。似てるかもしれないけれど本当にそんな口車に乗せられるわけにはいかない。

「おい、立たねえの?それとも腰が抜けたとか?」


クスクスと笑い片手を差し出す彼。悔しいけれどご名答。急いで智人さんに連絡したいのに立ち上がれない。グッとその苛立つ気持ちで彼を見ると獲物を狙うかのようなギラギラした瞳。かっこいいと思ったけれど今はただ危険な眼差し。

「ほらっ、手貸してやるから立ちなって」

一向に差し出された手を掴まない私に痺れを切らした彼は無理矢理私の腕を掴んで立ち上がらせた。逃げるなら今しかない。でも、そう思ったのが遅かった。全くさっきと同じパターンでグッと引き寄せられた。当然男の人の力には敵うわけもなく耳元で囁かれる言葉にハッとした。



「あんた、キス初心者だろ。唇、力入れ過ぎ。もっと力抜いて」


彼の行動を読めないほど私の思考回路はさっきからショートしているのかもしれない。とりあえず咄嗟に目を瞑る。でも思っていた行動とは違って私の唇に触れたのは彼の指先だった。
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