キスから始まるセカンドラブ
「もう一回して欲しかった?」

瞑っていた目を開けると指先はまだ唇に触れたまま意地悪そうな笑みを浮かべている。恥ずかしい。私ってば何、受け入れようとしたのよ。

「あの、私は智人さんの彼女です。あなたが弟だかなんだか知らないけれどそう何度もキスされてたまるもんですか」

「そう?でも、目を瞑って待ってたように見えたけどそれは俺の気のせいか?」

力が弱まった瞬間、振り払ってとにかくひたすら距離を取ろうと後ずさりで逃げる。でも、これも失敗した。返って逃げ道を失うだけ。背中が壁に当たった。これ以上は後ろには下がれない。


私は、智人さんの彼女なんだよ。唇も智人さんしか・・・知らなかったのに。

「こ、来ないでください。これ以上近づいたら大声で叫びますから」

「そんな怖がんなよ。これからは一緒に暮らすんだしさ」

「暮らしません。私は、私は智人さんと暮らすんだから」

「・・・うるせえよ」


やっぱり予想通りの壁ドン。少女漫画が大好きでこのシチュエーションはドキドキしてつい読み返してしまう。でも、私が壁ドンされたいのもキスされたいのも智人さんだけ。


「そんな顔しても無駄。あんたの今の顔は俺をただ煽るだけ」
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