キスから始まるセカンドラブ
そう、私もちゃんと智人さんを好きだったのかと聞かれたらきっと違う。彼氏というカタチに恋をして彼自身を好きではなかった。


ただ失いたくなくて必死だったんだ。繋ぎ止めたかっただけ。彼氏という所有物と錯覚する存在を。




「僕を憎むのも蔑むのも好きにしたらいい。でも、洸汰のことは簡単に答えを出さないでほしいんだ。確かに僕たちは2人でキミを騙した。元はと言えば僕が情けなんて掛けずに正直にキミと別れていれば洸汰を巻き込むこともなかった。それでも、洸汰に相談したのは・・・キミを大事にしてくれるとなんとなく思ったんだと思う」



「・・・」



言葉が出てこない。智人さんの賭けに乗った洸汰さんに私はどんどん惹かれて好きになってしまった。智人さんとして会っている頃からきっと。
< 90 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop