チャット恋愛注意報!!(旧)
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その後、私たちはフジヤマの車が停めてある駐車場へと移動した。
さすがに駅前でいつまでも騒いでいられないし……フジヤマの格好は、通報されかねない。
「着替えるからちょっと待ってなー」
と、車に着いてすぐ、フジヤマはTシャツを脱ぎ捨てた。
いきなり上半身裸を晒すなんて……。
まぁでも、派手男のままよりはマシかな?
「フジヤマ、なんであんな格好を?」
「いやー、俺にすぐ気付くかなって思って。 それにほら、旅の恥はかき捨てっていうじゃん?」
「なるほど」
着替えながら笑うフジヤマに、ユージはふふっと笑う。
「フジヤマは、チャットと全然変わらないね」
「おう、イケメンだろ?」
「え? あぁ……うん、まぁ、そうだね」
「おいコラ、なんで答えに迷うんだ」
サングラスを外したフジヤマが、じろりとユージを睨む。
イケメンというか……面白いオッサン?
「サクラ、俺イケメンだよなー?」
「えっ!? あ、はいっ!!」
突然話を振られ、体がビクッと反応する。
そのあと、急激に顔が熱くなるのを感じながら、コクコクと頷く。
「サクラ、無理に頷くことないよ。 どう見てもフジヤマは変なヤツだから」
優しい声で言ったのは、YUKI。
いつの間にか買っていたらしい缶コーヒーのフタを開け、YUKIは優雅に飲み始めた。
「てめっ、ネカマがよく言うわっ!! 俺はなぁ、リアルでお前に会うのを楽しみにしてたんだぞっ!!」