チャット恋愛注意報!!(旧)
そう言ったフジヤマは、続けて書き込みをしてきた。
フジヤマ>ユージは絶対サクラが好きじゃん? で、あのメガネ男子のYUKIもサクラのこと好きだと思うなぁ
……画面に映し出されたその言葉を見て、私は固まる。
ユージとYUKIが、私を……?
サクラ>二人とも、友達としてでしょ?
フジヤマ>いやいや、YUKIはともかくユージの気持ちはわかるだろw リアルで好きって言われてたじゃんww
だからそれは。 と書いたところで、キーを打つ手が止まる。
>>ユージさんが入室しました。
>>YUKIさんが入室しました。
見慣れた2つの名前が、ほとんど同時に『高校生ルーム8』に現れた。
ユージ>こんなところでリアルの話をするなよww>フジヤマ
YUKI>なんで俺を男として扱うんだよw 男だけどww>フジヤマ
あ……そうだよ、ここは『高校生ルーム8』……誰でも閲覧可能な場所。
なのにリアルのこととか、YUKIの性別とか……ごくごく普通に見てしまっていた。
フジヤマ>別に特定されるようなもんは言ってないからいいんでねーの? な? ネカマのYUKIちゃん♪
YUKI>最低男w
フジヤマ>どっちがだw
性別は、バレてしまったものの……YUKIはいつもと変わらない様子でフジヤマと話している。
ユージもまた、いつも通り。
ユージ>そんなこと言ってると、フジヤマがオッサンだってバラすぞw
フジヤマ>ほとんど言ってるじゃねーかw つーか俺は永遠の16歳だ!!
YUKI>それは俺のセリフww
……みんな、いつもと変わらない。
だけど私は、画面を見つめたまま何も出来なかった。
『好き』という言葉に、どう反応すればいいかがわからなかった。