チャット恋愛注意報!!(旧)
チャットサイトを閉じて、パソコンの前から離れる。
みんなとリアルで会えたことは嬉しい。 みんなの前で笑っていられることが、本当に楽しかった。
……私、みんなのこと大好きだよ。
でも、恋愛としての好きとか、何もわからない。
ううん、私は……三原 桜子っていう人間は、恋愛をしていいような人間じゃないから……。
幽霊な私は、この先も幽霊なままでいいんだ。
そうやって生きてることが、1番いいんだよ……。
「……ごめん」
ベッドの上で膝を抱える。
ユージ、YUKI、フジヤマ。 みんなごめんなさい。
私、もうチャットには行けない。
そこでみんなと話すことが怖い。 サクラじゃなくて桜子が入り込んでしまうことが怖い。
これ以上桜子を知られるのが、怖いよ……。
「……みんなと、会わなければよかったのかな……?」
そうすれば私は、ずっとチャットの中で……サクラとして、生きていられたのかな……?
「……会わなければ、こんなに苦しくなかった?」
胸がズキズキと痛む中で、私は静かに目を閉じた。