チャット恋愛注意報!!(旧)


チャットサイトを閉じて、パソコンの前から離れる。

みんなとリアルで会えたことは嬉しい。 みんなの前で笑っていられることが、本当に楽しかった。

……私、みんなのこと大好きだよ。


でも、恋愛としての好きとか、何もわからない。

ううん、私は……三原 桜子っていう人間は、恋愛をしていいような人間じゃないから……。


幽霊な私は、この先も幽霊なままでいいんだ。

そうやって生きてることが、1番いいんだよ……。




「……ごめん」




ベッドの上で膝を抱える。

ユージ、YUKI、フジヤマ。 みんなごめんなさい。




私、もうチャットには行けない。


そこでみんなと話すことが怖い。 サクラじゃなくて桜子が入り込んでしまうことが怖い。

これ以上桜子を知られるのが、怖いよ……。




「……みんなと、会わなければよかったのかな……?」




そうすれば私は、ずっとチャットの中で……サクラとして、生きていられたのかな……?




「……会わなければ、こんなに苦しくなかった?」




胸がズキズキと痛む中で、私は静かに目を閉じた。


< 79 / 182 >

この作品をシェア

pagetop