Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩ ☩ ☩
「……………。」
朝、ベッドの上で起き上がったまま、暫く何も出来ずぼんやりと座り尽くした。
白い家具にピンクのファブリックで纏められたここは…美久の部屋。
重い頭が昨日の深酒を思い起こさせる。
昨日は須藤に呑まされた。
珍しく記憶がおぼろげでここに辿り着いた経緯も覚えていない。
ばふっと音を立ててベッドに倒れる。
「ふふ……夢見が良かったのはこの所為か。」
顔を埋めた枕をぎゅーっとして、堪えられないものに思わず足をぱたぱたと動かす。
美久の香り
本人は既に仕事に行ってしまったらしく気配もないけれど。
本当に良い夢見た。
『欲望のままに煩悩のままに行動するが良い。』
そんな須藤の(あの時どうして分からなかったのか分からない程にあの胡散臭い魔法使いは須藤だったわけだけど)甘言に唆された。
美久をベッドに押し倒してキスをして…。
『…ゆうっ…り』
戸惑い気味に僕を見上げる瞳。
舌ったらずに僕の名前を呼んでくれる声音。
流石僕の夢は僕の都合の良いように運ぶ。
美久は僕の弟の領分を越えた行為に戸惑いこそあれ嫌悪した様子はなく、寧ろぎこちなくもその行為を受け入れてくれた。
甘い甘い砂糖菓子みたいな美久。
ほんの少し熱を加えれば簡単に溶けてしまうね。