Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩ ☩ ☩
それから美久は木戸さんとお付き合いを始めたようで。
毎日充実した日々を送っている。
…決して順調とは言い難いお付き合いだけどね。
やんわりと。
絡める糸は少し余裕を持った方がイイ。
警戒されないように。
張る時にピンと張れるように。
二人っきりの時間は極力避けるけども、職場で木戸さんに会う事やたまに一緒に帰るくらいは許してあげる。
この間は仕事中に唐突に会う約束を取り付けたようだけど。
そんなんで僕は出しぬけませんヨ、木戸さん。
散々邪魔してきたので、そろそろ強引にくるかなぁ~と思っていたら案の定。
危機感にも乏しい赤ずきんちゃんがまんまと送り狼にキスされそうになるから、当然の如く邪魔してやった。
それでも頬にキスとか……全く油断も隙もない。
ともかくなんだかんだと美久の貞操は守られているワケで、それは一重に協力者の働きが大きい。
名取さんには頭が上がらないなぁ。
協力の代償といえば―――
「上手くやってくれてるようで助かるよ。なんせ彼女には大いに借りつくっちゃってるからね。」
仕事の最中。
粘土を捏ねる手を留めないままに言えば、作業台の横に立つ男はまるで呑んでいるコーヒーが不味いみたいに眉間に皺を寄せた。