Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「…オマエ、実は久寿軒令嬢を押し付けた事根に持ってんのか。」
「そんなそんな。彼女の要望を加味した場合、君程の適役が思いつかなかっただけだよ。」
どうだか、とぼやくのは須藤智親。
僕が彼女に恋人役として斡旋した男。
「なにはともあれ、この間のお見合いも見事に潰してくれたらしいじゃない。」
「…あれはあの女が一人でぶっ潰したようなもんだろ。」
辟易とした顔にその光景がまざまざと目に浮かび、思わず笑う。
恋人の須藤を従えお見合いの場に乗り込んだ名取さん。
『お見合いなんてヌルイ事私がするワケナイでしょっ。私と結婚したけりゃ対等に張り合えるくらいイイ男になってから出直しなさいな。』
相手の男の前でそう大見栄を切ってきたそうだ。
須藤が(俺がここに居る意味はあるのか?)と自問自答している間にもお見合いは消滅していたらしい。
「まぁ、君には大いに感謝されてもイイと思うけどね。」
「…感謝?なんのだ。」
「運命の彼女に出会えた事?お望みとあらばキューピットだけじゃなくて仲人もやってあげるけど?」
「勝手にほざいてろ。」
素っ気なくそう言って去って行く後ろ姿に僕は小さく含み笑った。