Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

☩ ☩ ☩

無駄なく卒なく利潤を追求する男。

それが僕の知る須藤智親。

鋭い目つきにポーカーフェイスの一見お固そうなとっつきにくい容姿だが、やる事はスマートだし、少々毒を混ぜた話術は巧みで、女性受けは大変に良い。

そして何を隠そう『ASTRO』の御曹司であり次期社長サマ。

名取さんの所望する恋人役としてこれ以上に相応しい男もいないだろう。

そんな男を恋人役に従えてのお見合いの席での大立ち回り。

諸々思う所あって断りを入れてきた相手方はさて置き、流石と言うべきは名取さんの御両親で。

いきなり恋人として紹介された須藤を『麗那の恋人?ホントかなぁ~』と疑って信じなかったらしい。

それで恋人ごっこは急遽、延長戦にもつれこんだ。


女性には不自由しないし、得にならない事はしない主義の須藤が『乗りかかった船』なんて親切ごかした言葉で、礼節ある恋人ごっこなんて茶番を引き受けるワケはない。

可愛げのない我が友人にもとうとう春がきましたか――――


「………お望みとあらば、その春、僕の力で大寒にしてあげるけどね…。」


どうやら思っていた事が口を吐いて出てしまったらしく、テーブルを挟んだ向かいで久寿軒さんが「え?」と不思議そうに首を傾げた。

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