Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「………意外とやる気満々なんだな…。」
はぁっと重い溜息を吐く木戸さんに私は大いに慌てた。
「や、ち、違っ違います!ほらっ、なんていうか悠里ってこう人間離れしてるというか煩悩なさそうというか…や、セックスアピールに乏しいというワケじゃなく~。」
白昼堂々考えるべきじゃない思考を私は慌てて掻き消す。
必死に捲し立てていた私は翳された掌に言葉を止めた。
「もういい。オマエの気持ちは分かったから。……というか最初から分かり切ってた事だけどな。」
「………え?」
サイショカラワカリキッテタ
以前にも聞いた事があるセリフが不思議で、木戸さんを見詰める。
木戸さんはほんの少し悲しそうな色を滲ませた苦笑を浮かべた。
「姉弟愛なんだか恋愛なんだか計りかねたが、二人が互いに特別に想って必要とし合ってる、てな。俺は弟のそのポジションが欲しかったワケだが、あの弟は俺に譲る気はナイらしいし、オマエもそれを望まないんだろ?」
私の特等席。
そこに不動に鎮座するのは悠里だけ。
例え彼氏といえどもそこに座る事を私は望まない。